ソロ活動/ぽり/Baldur's Gate 3 のバックアップ(No.48)


世界初のテーブルトークRPG『Dungeons & Dragons』のビデオゲーム化作品のうちの1つ、Baldur's Gateシリーズの3作目。
色々な場面でダイスロールをしたりゲームマスター枠のナレーターがいたりと、TRPG的表現が多い(当然だが)のでTRPGをやったことがある人ならとっつきやすい…かもしれない。ゲーム序盤はプレイヤーの知識不足とキャラ戦力不足により非常に難易度が高くなりがちで、見づらいUIを凝視しながら長文を読んで忍耐強くプレイする必要があるため、短気な人には向かない。

1周クリアまで??時間(難易度冒険家(ノーマル相当)で可能な限りサブクエを回収)。会話と技能判定の多さ・戦闘の難しさ・アイテムの多さ・キーワード能力の多さ・インタラクト可能オブジェクトの多さ・移動速度の遅さなどあらゆる要素がプレイ時間を引き伸ばしていくので、あまりゲームに時間をかけられない人には難易度探検家(イージー相当)を強く推奨する。

 

[戦闘]

戦闘システムはタイムライン+ターン制ストラテジーと同系統のもので、1ターン行動あたりの価値が高いため睡眠や麻痺などの行動制限バステがすさまじく強い。また基本は高所を取る・囲んで殴るゲームであり、XCOM・タクティクスオウガ・FFTといったゲームの戦闘における定石を知っていれば有利な動き方がわかりやすいだろう。

序盤の戦闘がとにかく難しくチュートリアルも最低限のものしかないので、正解を知らずに正面衝突すると死にゲーになる。ステルスで戦力を削る、高所からの奇襲、罠や環境オブジェクト利用などTRPGらしく色々な方法を試してみよう。

中盤以降にビルドが完成し始めると難易度冒険家では無双できてしまうが、ビルドを気にしないデフォルトお任せ成長であれば冒険家でちょうどいいくらいのバランス。難易度はいつでも変更できるので、簡単だと思ったら戦術家(ハード相当)に上げるのがよい。

 

[システム]

ダイスロール判定は出たままの結果で進めるのがTRPG的お作法だが、判定に失敗したら即座に連鎖サブクエスト全体が消滅する致命的なものもあり、また先述の通り戦闘が難しいため、セーブはある程度こまめにやっておこう。オートセーブもあるが、頻度はそれほど多くないので基本的にはクイックセーブを活用するとよい。

呪文周りの仕様はかなり複雑で理解するのに骨が折れるが、理解できなくても最低限"導き"や"祝福"のようなTRPGのシステム上極めて強力な呪文は常に使えるようにしておきたい。

 

[ストーリー]

D&D特有の固有名詞や用語がかなり多いので、理解しようとするとある程度は自分でググる必要がある。とは言えゲーム内でもかなり詳しく解説してくれるので、読み飛ばしさえしなければとても話が分かりやすい。代償として各キャラのセリフが若干説明くさいが、そのくらいやってくれるほうが助かるし大半のプレイヤーにとってもそうだと思う。しゃべり方が説明くさいTRPGオタク再現

サブクエストは基本的にメインクエストの骨格に肉付けする形で構成されており、完全に独立しているものは少ない。メインだけを進めると味気なくなるのでプレイ時間が許す限りサブクエストをこなすことをおすすめする。

 

[総評]

ロールプレイ・探索・戦闘という古典的TRPGのルーチンを(面倒なところも含めて)これ以上ない再現度と快適性で楽しく体験できる、納得の2023GOTY。しかしながら現代のビデオゲーム基準で考えると煩雑な部分があまりに多く、とにかくプレイ時間を激増させる難物。長い文章を読むことに抵抗がない人、TRPGに興味があるもののなかなか手を出せなかったという人におすすめ。

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Playthrough