ソロ活動/ぽり/Baldur's Gate 3

Sun, 04 Feb 2024 13:28:35 JST (104d)
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世界初のテーブルトークRPG『Dungeons & Dragons』のビデオゲーム化作品のうちの1つ、Baldur's Gateシリーズの3作目。
色々な場面でダイスロールをしたりゲームマスター枠のナレーターがいたりと、TRPG的表現が多い(当然だが)のでTRPGをやったことがある人ならとっつきやすい…かもしれない。ゲーム序盤はプレイヤーの知識不足とキャラ戦力不足により難易度が高くなりがちで、見づらいUIを凝視しながら忍耐強く文章を読み込んでプレイする必要があるため、短気な人・長文を読むのが苦手な人には全く向かない。

プレイ時間がかなり長いゲームで、難易度冒険家(ノーマル相当)・サブクエほぼ全回収・プレイ時間105時間以降に移動速度増加mod導入、の遊び方で1周クリアまで約129時間。会話と技能判定の多さ・戦闘の難しさ・アイテムの多さ・キーワード能力の多さ・インタラクト可能オブジェクトの多さ・移動速度の遅さなどあらゆる要素がプレイ時間を引き伸ばしていくので、あまりゲームに時間をかけられない人は難易度を下げたりサブクエを無視してプレイ時間を抑える工夫が必要。個人的には移動速度増加modは必須。

 

[戦闘]

戦闘システムはタイムライン+ターン制ストラテジーと同系統のもの。基本は高所を取る・囲んで殴るゲームであり、XCOM・タクティクスオウガ・FFTといったゲームの戦闘における定石を知っていれば有利な動き方がわかりやすいだろう。

序盤の戦闘が非常に難しくチュートリアルも最低限のものしかないので、正解を知らずに正面衝突すると死にゲーになる。ステルスで戦力を削る、高所からの奇襲、罠や環境オブジェクト利用などTRPGらしく色々な方法を試してみよう。

中盤以降にマルチクラスを使ったビルドが完成し始めると難易度冒険家での戦闘は楽勝になってしまうが、ビルドを気にしないデフォルトお任せ成長だと序盤よりは簡単だが楽勝ではないくらいのバランス。難易度はいつでも変更できるので、簡単だと思ったら戦術家(ハード相当)に上げるのがよい。

 

[システム]

セーブは移動中・会話中・戦闘中のほとんど全てのタイミングで可能。ダイスロール判定は出たままの結果で進めるのがTRPG的お作法だが、判定に失敗したら即座に仲間キャラ永久ロスト・連鎖サブクエスト消滅などの致命的なものもあり、また先述の通り戦闘が難しいため、セーブはこまめにやっておこう。オートセーブもあるが、頻度はそれほど多くないので基本的にはクイックセーブを活用するとよい。

UIはキーボード・マウス操作とコントローラ操作で全く違うものになっており、コントローラ操作では周辺サーチ機能によって細かい場所を探さなくてもアイテム入手ができるようになっている。キーマウ操作では探索時に小さいアイテムをいちいちクリックする必要があり、modを入れないとWASD移動すらできないが、移動先・ターゲット・スキル選択などの戦闘時操作はやりやすいため一長一短。キーマウ操作でもサーチ機能が使えるようにしてほしかった。

呪文周りの仕様はかなり複雑で理解するのに骨が折れるが、理解できなくても最低限"導き"や"祝福"のようなTRPGのシステム上極めて強力な呪文は常に使えるようにしておきたい。

 

[ストーリー]

D&D特有の固有名詞や用語がかなり多いが、メインクエストに関係することは伏線回収を含めてかなり丁寧に解説してくれるので、読み飛ばしさえしなければ話の流れ自体はとても分かりやすい。代償として各キャラのセリフが若干説明くさいが、大半のプレイヤーにとっては説明しすぎるくらいでちょうどいいと思う。しゃべり方が説明くさいTRPGオタク再現

サブクエストはメインクエスト進行やエリア進行で消滅するので後から一気に進めることはできない。ゲーム全体を通して続くサブクエも多く、不用意にNPCを死亡させてしまうと連鎖するサブクエがまとめて消滅するため注意が必要。時間が許す限りサブクエをこなすのをおすすめしたいところではあるが、プレイ時間が長くなることは覚悟しておこう。

 

[総評]

ロールプレイ・探索・戦闘という古典的TRPGのルーチンを(面倒なところも含めて)これ以上ない再現度で体験できる、TRPGプレイヤーにとっては納得の2023GOTY。しかしながら現代のビデオゲーム基準で考えると煩雑な部分があまりに多く、とにかくプレイ時間を激増させる難物。長い文章を読むことに抵抗がない人、TRPGに興味があるもののなかなか手を出せなかったという人におすすめ。

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