ソロ活動/ぽり/ファイナルファンタジーXVI のバックアップ(No.9)


今作はぱっと見ゲーム・オブ・スローンズっぽさのあるFF、第16作目。実際スタッフにゲースロを見せてから開発していると開発者インタビューで明言されている。
イベントシーン中はいつでもポーズ可能で、そのシーンのキャラ・用語解説を見る機能も搭載されているので、人間関係や世界設定を忘れてしまっても安心。とは言うものの本作にはゲースロほどの複雑さがそもそもないので、よほど忘れっぽい人でない限りは不要な機能。ゲースロにこの機能欲しい。
序盤のストーリーラインはFFやDQといった古典的JRPGの定番路線で、先の展開が予想できすぎてちょっとツカミが弱い。チュートリアル解説でいちいち画面が止まるのが非常にうっとうしいので、操作説明以外のチュートリアルは別モードに分離して、序盤のストーリーをテンポ良く進めさせてほしかった。

 

物議を醸した没入感重視のためのミニマップ不採用に関しては、実際にプレイしてみると結局普通にマップを開いて手間が1ステップ増えるだけであり、より一層没入感が削がれることに。
没入感というコンセプトはイベント鑑賞シーンだけにして、プレイヤー操作パートではもっと引っかかりをなくしてテンポや快適さを優先してほしい、という当たり前すぎる感想しか出てこなかった。

 

本作最大の見どころになっている召喚獣同士の戦闘はムービーパート・プレイパートともに見応え十分。個人的な好みとしては、召喚獣になったドミナントのセリフは一切なくしてしまって相互理解のできない人外の戦い感を出すほうが演出としてはスタンダードでいいのではないかと思うが、FFシリーズの召喚獣は昔から喋りまくることを考えるとある意味これもFFの独自性という気もする。
QTE演出に関しては、一般ボス戦であればあってもなくてもいいかなくらいの感想だが、召喚獣戦のようなムービー鑑賞に集中したいパートでは肝心の没入感を阻害する要素なので不要だったと思う。
シネマティック系のQTEをなくしたオートモードがあればより現代のゲームらしくなったのでは、と感じた。

 

総じて、「没入感」が悪い意味でキーワードになった作品。プレイヤー操作中の没入感は既存のアクションRPG並だが、中盤までのイベントシーンの没入感はFFらしくしっかりとあるので、ムービー鑑賞ゲーが苦にならない人にはおすすめ。

 

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Playthrough