ソロ活動/ぽり/Clair Obscur: Expedition 33 のバックアップ(No.7)


フランスのベル・エポック(1900年前後、パリ万博の全盛期)がモチーフの世界を舞台にした終末系ファンタジーJRPGで、フランス製ゲームならではのアートワークや音楽を使った演出が最大の特徴。
開発元は元UBIのスタッフが設立したインディー開発スタジオで、開発者インタビューで言及されているとおり、日本製の有名JRPGオマージュ要素が随所に感じられる。

 

本作のゲーム体験としての面白い部分はほぼ戦闘システム部分(攻撃・回避・パリィ時のアクション)に集中しており、特にパリィが成功したときの気持ちよさは随一。
ただし、その分パリィ・回避ができないと本作の戦闘はほとんど楽しめないので、反射神経ゲーが苦手な人には全くおすすめしない。
逆にソウルシリーズなどの反射神経を使うタイプのアクションが好きな人には非常におすすめ。
難易度設定のバランスは悪い意味で昔懐かし洋ゲー仕様で、最低難易度(難易度:ストーリー)が一般的なゲームのノーマル難易度枠なので、パリィ受付時間を長くした低難易度がもう1~2段階程度は欲しかった。

 

インディー開発ということもあって、

  • メニューUIが見づらい
  • マップが実装されていない
  • パリィと回避のリスクリターンのバランスが取れていない

といった複数の問題点があるのは、仕方がないながらも残念なところ。
中でもマップが無いことによるストレスがかなり激しいゲームなので、何度も何度も意味もなく迷ったり逆走したりするのが楽しいという人以外は素直に攻略サイトでマップを見よう。

 

仲間キャラはそれぞれ専用の戦闘システムとスキルツリーを持っており、各キャラの特性に合ったビルドを考えるのも本作の面白い部分。
しかしながら悪い言い方をすると、ターンを使ってリソースを溜めるという点では、リソースの名前が違うだけで全員同じであり、ガワを変えて無駄に複雑化させてしまっているだけ、とも言えてしまう。
先述の通り、本作の戦闘の面白いところはほとんどアクション部分なので、こちらも考えるのが面倒という人は攻略サイトでビルドを調べるのがよい。

 

総評としては高難易度アクションコマンドを採用したフランス産JRPG。
アートワークと音楽の独自性は他に類を見ないので、物珍しさ・新鮮さを求める人に特におすすめの作品。
開発者インタビューでは本作がFFシリーズからのインスパイアによって開発されたゲームであると公言しているのだが、本作のターゲット層は高難易度アクションのプレイヤー層であり、FFを始めとしたJRPGのプレイヤー層ではなくなってしまっているのが残念なところ。
反射神経ゲーが苦手な人に対する救済措置をもっと積極的に入れてほしかった、というのが全体的な感想。

Playthrough