ソロ活動/ぽり/OCTOPATH TRAVELER のバックアップ(No.28)


steamアクティビティに流れる実績説明がシナリオを全部ネタバレしてくることで有名なJRPG。
8人の主人公に別々のシナリオとエンディングがあり、各主人公を仲間にしつつシナリオを進めて最終的に一つのシナリオに進んでいく、サガシリーズとライブ・ア・ライブを合わせたようなゲーム進行になっている。

 

[システム]
HD-2D方式(Unreal Engineを使った2Dドット絵風3D)の最初の作品かつスペックに乏しいSwitch専売作品だったという事情のせいか、被写界深度やライティングなどのエフェクトの使い方がこなれておらず、そういう画面作りであるとか演出であると主張するにはあまりにも画面が見づらく移動しづらい。
画面右下のコンパスのような何かはミニマップではないため移動の役には立たず、また奥行き方向の移動時に地形に引っ掛かりやすいため操作感がかなり悪い。
今作発売当時のHD-2Dは全体的にまだ荒削りなシステムだったことが伺える。

 

サウンド面ではBGMを使った劇伴演出がとても印象的。ボス戦前の会話イベントでイントロループを流し、戦闘に入るとシームレスにメインBGMへ接続する流れは非常に気分が盛り上がる。
ボイスは一部フルボイス・他は一言のみのパートボイスというかなり中途半端な仕様のため、次作のオクトラ2のようにフルボイス化した完全版をいつか出してほしい。

 

[戦闘]
シールド弱点・シールドブレイクを軸にしたターン制戦闘は初見殺しの傾向が強いものの、しっかりと準備をしておけばメリハリの効いた展開を楽しめるよく出来たシステム。
ただし終盤のボス戦は初見殺しを食らってリセットを繰り返す以外に攻略方法を探す手段が存在せず、開発スタッフとプレイヤーの知識量に大きな差があることを考えていない典型的な独りよがりの高難易度ゲーになってしまっているのは残念。
準備不足のままアドリブで初見攻略をしても時間がかかるだけで全く面白くないので、ゲームにあまり時間を取れない人は最初から攻略を見て短期決戦を心がけるのがおすすめ。

 

[シナリオ]
メインシナリオは主人公ごとに各4章構成。いずれも王道かつ質の高い、飽きさせないシナリオになっている。
しかしながら章をまたぐと戦闘難易度が激増するため、通常プレイでは複数の主人公を並列に1章ずつ進めることをほぼ強制されてしまい、その都度話がぶつ切りになってしまうのが不満点。
また最終シナリオ(サブシナリオ扱い)のラスボスに挑む際は8人全員のメインシナリオを終わらせ、かつ全員を育成する必要があるため、もう少し育成・進行には自由度がほしかったところ。

 

エンカウント半減のサポアビを使って序盤から強引に強アイテム・強装備を集めることも可能だが、最短進行ルート・エンカキャンセルの仕様・エンカ時対策・宝箱の中身の把握など大量の攻略知識が要求される。
シナリオの並列進行をしたくないという人は最初からRTAのチャートを参考にして遊ぶのがおすすめ。
チャートを追っているうちに戦闘での強い動き方や強いアビリティ・アイテムも分かってくるため、ある程度戦力が整った後(一人目の第4章をクリアする頃)には好きな順でシナリオを攻略できるようになる。

 

[総評]
レトロ風グラフィックにモダンな戦闘デザインと高水準のシナリオ・サウンドが合わさったJRPG。
操作のしづらさや半端なパートボイス、戦闘バランスの悪さなどいくつかの粗はある(次作のオクトラ2ではその多くが改善されている)ものの、ゲーム全体としての面白さは他のスクエニ製JRPGに全く引けを取らない良作。
戦闘の難しさに時間を取られて途中で投げ出した人が多い作品という印象を受けるので、初見攻略にはあまりこだわらずに攻略サイトやRTAチャートを使ってでもぜひラスボス撃破まで遊んでほしい作品。

 

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