ソロ活動/ぽり/聖剣伝説3 TRIALS of MANA のバックアップ(No.25)


旧スクウェアSFCゲーム黄金期に発売された聖剣伝説シリーズ3作目のリメイク。
主人公ごとにストーリーが異なる形式のアクションRPGで、大筋が共通するシナリオルートはオリジナル版同様に3種類。
リメイク版の追加要素としてメインシナリオクリア後に各キャラごとの新クラス・新エピソードが解禁される。
イベントスキップなしの1周目でメインシナリオクリアまで約20時間、追加シナリオクリアまで約??時間。

 

育成システムの関係上、ゲーム開始前から把握しておく必要のある攻略知識がかなり多く、強キャラ・強クラス・強アイテムを何も知らないまま普通にゲームを進めると難易度ノーマルでもボス戦がかなり難しくなる。
リメイク版で始めて聖剣伝説3に触れるプレイヤーは難易度をイージー以下にするのが無難。

 

シナリオ進行に関しては原作再現を重視しすぎたせいか、現代のゲームとしてはかなりお粗末なものになっている。
メインシナリオでのお使いに次ぐお使い・フラミーで自由に移動できるようになった途端にシナリオのないダンジョンをいくつも回らされる作業感の強い神獣戦・設定の重厚さの割に台詞回しもシーンの繋がりも詰められておらず、フルボイスに全く向いていないオリジナルそのままの脚本…等々、ゲーム進行・シナリオにリメイクと言える要素はほとんど無い。
グラフィックやシステムはリメイクとして相応に手が入っているのだから、それに見合う脚本・台本のリメイクをしてほしかった。

 

リメイク版で追加されたアビリティに関しては、カスタマイズ幅が広がったように見えて実際には選択肢がほとんど無いというのが正直な感想。
NPC操作キャラは全く火力を出せないため、挑発やバフ・デバフ系などのパッシブ系を付けて放置、プレイヤー操作キャラに火力特化・リソース回復系を付けるだけで後は放置となりがち。
また育成ポイントの振り直しやクラスリセットは可能なものの、特定の場所でしかできず最終盤になるまではコストも高い。この点はリメイク版開発当時には既に山程出ていたはずのビルド構築型ゲームを見習って、メニュー画面から安上がりに試行錯誤できるようにしてほしかったところ。

 

属性弱点の補正が大きいのはオリジナル版と変わらずで、そのバランスのせいでクラス2にかなりの格差がある(セイバー魔法持ちが極端に強い)のもほとんど変わっていない。
1周目からキャラとクラスを見た目で選びたい場合はブラックマーケットで属性付与アイテムを揃えておこう。

 

ザコ敵・ボス敵が使ってくる必殺技が全体必中ではなく予兆方式(FF14のボス方式)になったのは最も現代のゲームにリメイクされたと言える点。
NPCの作戦(ターゲット選択・必殺技ゲージ維持)を適切に設定してキャラ切り替え+手動必殺技を使うことで、一見間に合わないように見えるボス戦の予兆ギミックもキャラ・クラス選択に関わらず対処可能になっており、聖剣伝説3らしさを残しつつ新しくなったボス戦を楽しめるのは高評価。
また理不尽な魔法カウンター必殺技もなくなったので、オリジナル版での運用がかなり面倒だったアンジェラをストレスなく使えるようになった。

 

総評としては、オリジナル版の原型を残そうとし過ぎたために現代のゲームになりきれなかったリメイク。
戦闘システムだけは原型を残しつつうまく現代のゲームにリメイクすることに成功しているものの、詳細な攻略知識を持っていない限りゲームバランスは悪く、フルボイスを使ったシナリオも現代のゲームとしては展開が雑。
聖剣伝説3自体に思い入れがある人にはおすすめできるが、それ以外の人にはおすすめしない。

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