ソロ活動/ぽり/ファイナルファンタジーXVI のバックアップ(No.17)


今作はぱっと見ゲーム・オブ・スローンズっぽさのあるFF、第16作目。実際スタッフにゲースロを見せてから開発していると開発者インタビューで明言されている。
イベントシーン中はいつでもポーズ可能で、そのシーンのキャラ・用語解説を見る機能も搭載されているので、人間関係や世界設定を忘れてしまっても安心。とは言うものの本作にはゲースロほどの複雑さがそもそもないので、よほど忘れっぽい人でない限りは不要な機能。ゲースロにこの機能欲しい。

 

物議を醸した没入感重視のためのミニマップ不採用に関しては、実際にプレイしてみると結局普通にマップを開いて手間が1ステップ増えるだけ。地図そのものを開くような演出もないので、逆に没入感を削いでしまっている。
レベルアップやクエスト報告などで、見る必要のない情報を見せるためにいちいち画面を止めるのも非常にうっとうしい。没入感をコンセプトに掲げるのなら、プレイヤー操作パートではもっと引っかかりをなくしてテンポや快適さを優先してほしかったところ。

 

本作最大の見どころになっている召喚獣同士の戦闘はムービーパート・プレイパートともに見応え十分。
しかしながらエフェクトの強さと背景の暗さで、肝心の召喚獣本体が目立ちづらいカットが散見されたのは残念な点。HDRを有効化してプレイしている分にはそれほど見づらさを感じることはないが、SDRスクリーンショットだけでもある程度見栄えが良くなるようなカラーデザインにしてほしかった。
また個人的な好みとしては、召喚獣になったドミナントのセリフは全シーンで一切なくしてしまって、相互理解のできない人外の戦い感を出すほうがシンプルな演出になって良いかなと思った。
召喚獣戦のQTEに関しては、いつ来るかと身構えてしまって画面を見るのに集中できなかったので不要だと思う。本作のQTEはただのプレイアブルスロー演出として漫然と散りばめられているだけという印象をどうしても受けるので、操作キャラクターの心情とプレイヤーとの一体感をもたせるための演出として、ここぞという場面だけに絞って効果的に使ってほしい。

 

総じて、「没入感」が悪い意味でキーワードになった作品。演出やプレイヤー操作パートには引っかかりを感じる部分が多いものの、イベントシーンを個別に見た場合の没入感はFFらしくしっかりとあるので、ムービー鑑賞ゲーが苦にならない人にはおすすめ。

 

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