ソロ活動/ぽり/Clair Obscur: Expedition 33 のバックアップ(No.11)


フランスのベル・エポック(1900年前後、パリ万博の全盛期)がモチーフの世界を舞台にした終末系ファンタジーJRPGで、フランス製ゲームならではのアートワークや音楽を使った演出が最大の特徴。
開発元は元UBIのスタッフが設立したインディー開発スタジオで、開発者インタビューで言及されているとおり、日本製の有名JRPGオマージュ要素が随所に感じられる。

 

本作のゲーム体験としての面白い部分はほぼ戦闘システム部分(攻撃・回避・パリィ時のアクションや特殊ギミックなど)に集中しており、特にパリィが成功したときの気持ちよさは随一。
ただし、その分パリィ・回避ができないと本作の戦闘はほとんど楽しめないので、反射神経ゲーが苦手な人には全くおすすめしない。
逆にソウルシリーズなどの反射神経を使うタイプのアクションが好きな人には非常におすすめ。
難易度設定のバランスは悪い意味で昔懐かし洋ゲー仕様で、最低難易度(難易度:ストーリー)が一般的な和ゲーのノーマル難易度くらいの難しさなので、例えばオートパリィやオート回避のような救済措置を入れた低難易度がもう1・2段階程度は欲しかった。

 

インディー開発ということもあって、

  • メニューUIが見づらい
  • マップが実装されていない
  • パリィと回避のリスクリターン調整の甘さ
  • 極端なキャラ格差(パッチで調整されているが焼け石に水)

といった複数の問題点があるのは、仕方がないながらも残念なところ。
中でもマップが無いことによるストレスがかなり激しいゲームなので、迷ったら素直に攻略サイトでマップを見よう。

 

仲間キャラはそれぞれ専用の戦闘システムとスキルツリーを持っており、各キャラの特性に合ったビルドを考えるのも本作の面白い部分。
しかしながら各キャラ間のバランス調整はかなり雑で、火力面でのキャラ格差が凄まじいことになっている(特定キャラのみ出せるダメージのケタが違う)ので、パーティ編成の自由度は事実上存在しないも同然になってしまっているところは減点ポイント。
先述の通りアクション部分を楽しむゲームとは言えども、シナジーやビルドを何も考えないような構成で楽しめるほど甘い難易度ではないので、ビルドを考えるのが面倒という人はこれまた攻略サイトで調べるほうが快適。

 

総評としては高難易度アクションコマンドを採用したフランス産JRPG。
アートワークと音楽の独自性は他に類を見ないので、物珍しさ・新鮮さを求める人に特におすすめの作品。
開発者インタビューでは本作がFFシリーズからのインスパイアによって開発されたゲームであると公言しているのだが、本作のターゲット層は高難易度アクションのプレイヤー層であり、FFを始めとした本家JRPGのプレイヤー層ではなくなってしまっているのが残念なところ。
反射神経ゲーが苦手な人に対する救済措置をもっと積極的に入れてほしかった、というのが全体的な感想。

Playthrough