ソロ活動/ぽり/ライザのアトリエ3 〜終わりの錬金術士と秘密の鍵〜
ライザのアトリエ3作目、秘密シリーズ完結編。
アトリエシリーズとしてはかなり広大なマップ探索ができることが特徴。
難易度ノーマルで本編クリア時点でのプレイ時間は約50時間、DLCマップ2種のメインクエストクリア込みで約53時間。
[グラフィック]
ライザ1・2と比較してグラフィック全体のクオリティが向上したが、背景テクスチャの粗さは相変わらず。キャラクターモデルに関しては、2024年以降のゲームのセルルック3Dモデルと比べるとさすがに見劣りするが、2023年の発売当時としては上位のクオリティ。それだけに背景テクスチャとキャラクターのクオリティに差がありすぎて違和感があるのは、秘密シリーズ3作を通じてもったいないと感じる部分となってしまった。
会話シーンでノベルゲーム型の立ち絵イラスト・直立モデル横並び方式を極力使わずに、アップ寄せの様々なアングルから表情を見せるのは秘密シリーズ前後のアトリエシリーズでの特徴的な演出。アングルを頻繁に変えすぎなところはあるが、ゲーム画面に飽きが来づらいという利点はあると思うので個人的には高評価。
[調合]
ライザ2と同様に、スキルツリー形式による各種パッシブ能力やレシピ解禁のシステムが続投。新要素の鍵を使うことで投入回数増加や品質増加などのブーストができる。
装備品ショップが廃止されているので、ツリー解禁レシピの防具を意識的に作らないと終盤まで初期防具のままになることには注意。
[戦闘]
ライザ2で廃止されていたロールが復活し、タンクキャラがしっかりタンクとして機能するようになった。ただし器用さ+素早さゲーであることはライザ2と同様で、相変わらずレントは不遇。とは言え鍵をケチらずに使えば素早さに関係なく殴り続けられるということもあり、ライザ2ほどのキャラ格差はなくなったと言える。
[探索]
本作のマップはライザ3で初登場のエリア+ライザ1で使われていた既存エリアで構成されており、探索可能範囲がとても広くなった。シームレスなエリア移動が可能になったことでオープンワールド風の見た目になっているものの、あくまでもオープンワールド風というだけで任意の地点での崖登り移動や飛行移動の手段はなく、見えない壁も多い。
各エリアのファストトラベル(FT)ポイントに到達するまでは地図が表示されないにも関わらず、自分で歩いた部分の地図が埋まらないという仕様は本作最大の問題点。高所から俯瞰する手段もなく地図も見えない状態ではクエスト消化も採取もままならないので、最初はどこに行ってもFT+地図開放のために延々とマラソンすることになる。FT開放が一通り終われば問題ないが、オープンワールドにしようとして必要な機能を実装し切れず、かえって探索の自由度が低いゲームになったという印象を受けてしまった。
[ゲーム本編]
ストーリーに関してはメインクエストのほかにサブクエやキャラクエなどが豊富に用意されており、人名・用語の説明といったストーリー周りの機能も十分。内容としても、ライザ1・2のストーリーやゲーム内文書で語られていた設定と伏線をていねいに回収しているため、消化不良のない高品質な完結編になっている。
その一方でゲーム進行デザインにはかなり問題があり、サブクエとランダム発生クエ以外のほとんどのクエストにSP報酬がなく、無限稼ぎを使わない限り、スキルツリー開放があまり進まないままゲーム本編が終わってしまうのはバランス調整に疑問が残るところ。特に、メインクエの報酬が何もないのは設定ミスか不具合なのでは?という疑問が最後まで続いた(ライザ2ではメインクエ進行に伴う探索報酬だけで十分な量のSPが入手できた)。
なお、ライザ1・2にあった収集コンプ要素は登場人物のフレーバー文書・宝箱or強敵位置のヒント用文書としてまとめて簡略化された。
本作の新要素である鍵は戦闘・採取・ステータス・調合をブーストできる万能システム。ストーリー上の設定を考えるとブースト対象は調合だけでよかったと思うが、そうするとライザ2とゲーム性が変わらなくなってしまうので仕方のないところか。
[総評]
調合や戦闘に関しては前作までと変わらず良い出来だが、マップをオープンワールド風にした割に探索の自由度が低いのが難点。
ライザのストーリーを完結まで見届けたいという人には十分におすすめできる。
以下は秘密シリーズ3作の個人的評価比較。初見のインパクトを抜きにしても総合的にはライザ1が一番満足度の高い作品だったと思います。
ライザ1: ストーリー○、UI△、戦闘◎、探索◎
ライザ2: ストーリー△、UI○、戦闘△、探索○
ライザ3: ストーリー◎、UI○、戦闘○、探索×